なぜ理由を聞かれるのか

採用する側が知りたいのは、中退や退職そのものの良し悪しではありません。「同じ理由でまた辞めることにならないか」が主な関心です。

だから答えるべきなのは、過去の言い訳ではなくいまの状態です。事実を短く伝えて、現在は働ける状況にあると分かれば、その質問は終わります。

理由を隠したり、事実と違う説明をしたりすると、その後の質問で矛盾が出やすくなります。書類の記載や在籍期間との食い違いは確認されやすい部分です。事実を短く話すほうが、結果的に説明が楽になります。

3つに分けるフレーム

何を話すか迷ったら、次の順に書き出します。この順番で並べると、そのまま話せる形になります。

組み立ての型

【事実】
20◯◯年◯月に、◯◯の理由で中退(退職)しました。

【学んだこと・分かったこと】
◯◯を優先すべきだったと考えています。

【いまの行動】
現在は◯◯をしていて、◯◯の状態です。

3つのうち、面接官が最も見ているのは3つ目の「いまの行動」です。ここが具体的であれば、1つ目が重い内容でも問題になりにくくなります。

  • 事実 — 1〜2文。いつ、なぜ。時期は履歴書と合わせる
  • 学んだこと — 1文。無ければ省いてよい
  • いまの行動 — 1〜2文。勤務の状況、生活の状況、就職活動の状況

状況別の例文4つ

そのままでは使えません。◯◯を自分の事実に置き換えて、長さの目安として使ってください。

経済的な理由で中退した場合

例文(経済的な理由)

学費を続けることが難しくなり、2年生の後期で中途退学しました。
在学中から働いていた飲食店でそのまま勤務を続け、生活を安定させることを優先しました。
現在は週5日で働ける状態が続いているので、正社員として長く勤められる仕事を探しています。

進路が合わずに中退した場合

例文(進路の不一致)

入学後に学びたい内容と授業の内容が合わず、2年生で中途退学しました。
在学中に決めきれなかった分、退学後はアルバイトをしながら実際の仕事の内容を調べる時間を取りました。
その結果、人と話す仕事が向いていると考えるようになり、接客と事務の求人を中心に見ています。

体調を理由に中退した場合

例文(体調)

体調を崩して通学が難しくなり、1年生の後期で中途退学しました。
通院しながら生活を整えることを優先し、その後アルバイトを再開しました。
現在は週5日の勤務を1年以上続けられているので、フルタイムで働ける状態です。
体調や通院の話は、詳しく説明する義務はありません。「体調を崩して」までで止めて、いまは働ける状態だと伝われば足ります。病名を言う必要はありません。

短期間で退職した場合

例文(短期離職)

20◯◯年4月に入社しましたが、配属後の業務が募集時の説明と大きく異なり、8か月で退職しました。
入社前に業務内容を具体的に確認しなかったことが原因だと考えています。
次は、応募の段階で1日の仕事の流れを確認したうえで決めたいと考えています。

避けたほうがよい答え方

避ける理由
事実と違う理由を作る在籍期間や書類と食い違いが出やすい
前の職場や学校の批判で終える「環境が変われば辞めない人」に見えにくくなる
3分以上かけて説明する長いほど質問が増える。短いほど早く終わる
「特に理由はありません」考えていないと受け取られやすい。事実だけでも述べる
過度に反省を語る採用側が知りたいのは反省ではなく現在の状態

書類に書くか、面接で話すか

履歴書の学歴欄に理由を書く義務はありません。書く場合も「経済的事情により中途退学」のように1行で足ります。書き方は履歴書の記事にまとめています。

詳しい説明は面接で聞かれたときに話す、という分け方で問題ありません。書類で長く説明すると、かえって目立ちます。

声に出して確認する

書き終えたら、次の3つを確認します。

  • 読み上げて1分以内におさまるか
  • 履歴書に書いた年月と、話す内容の時期がずれていないか
  • 最後が「いまの行動」で終わっているか

ひとりで作りにくい場合は、ハローワークの窓口で応募書類と面接の相談を無料で利用できます。年齢や就業状況の制限はありません。

一次情報・公式情報

このページの例文と組み立て方は、一般的に使われている整理のしかたをまとめたものです。公的機関が定めた形式ではありません。応募先から指定がある場合はそちらが優先されます。